【メス豚養豚場】という名のデブ専デリヘル事務所。どこかおっとりとし、穏やかな気質のマリエは、痩せさせない為に設置してある食べ放題の豚まんを頬張り、涙を流しならテレビ番組を見ていた。そしてついに、ある客がマリエを指名する。

彼氏・肇から仕事を馬鹿にされている雑誌ライターの綾。肇は綾との性交を終えると夜の街に出かけてしまう。綾は取材を装って彼のお気に入りの風俗嬢・カレンに会いに行く。カレンと意気投合した綾は、肇を懲らしめるべくある計画を立てるのだが…。

眼鏡にダサ服、そしてタニシを丸飲みした女…。ボーイズラブとスプラッターの混じった腐女子的な妄想で興奮していると、突然「歪んでんなぁ」と声が聞こえる。そこには自分の肛門から顔を出す異形の生物がいた。

繁華街で、通行量調査の男がブツブツと呟く「千人目は俺の嫁…。」それから五年、男はぼろアパートから向かいの夫婦を覗き見ている。双眼鏡を通して見つめる貞淑な妻・真琴はあの日、男の手元でカウントした千人目の女だった。

見合い結婚から一年。輝彦は極度の潔癖症で、毎日が規則正しく過ぎて行く窮屈な生活は、カオルにストレスを与えていた。カオルは男の汗や体臭に異常な興奮を覚える匂いフェチだ。そして、彼女の生理的な欲求は次第に外部へと向いて行く。

公演では常に団員達は全裸、だが演目は大真面目な古典。それを前衛的と考える主宰・翼。今回の演目『ドンキホーテ』を恋人・加地と鑑賞していた揚羽は、失笑めいた拍手の中、茫然と舞台を見つめていた…。

蝶々夫人の公演後、『ネイキッド』に新しい劇団員も加わった。翼は大成功に終わった公演とは裏腹に、自分の信念を曲げた事、その結果、揚羽を失った事に後悔の念を抱いていた。そして劇団を乗っ取るために翼を追い出そうともくろむ者が現れ…。

会社の物陰でメイクを施す朋美。その目元にはほくろがある。街で偶然再会した大学時代の知り合い・潤と連絡先を交換した後、朋美はサラリーマン・市川ラブホテルにいた。乱暴に扱われる朋美の脳裏には、数年前継父に貫かれた瞬間が浮かんでいた。

離婚してから十年。現在は、保険の外交員として第二の人生を送っているさくらは、日々寂しさを募らせていた。仕事でペアの後輩・高知はさくらに気があるが、彼女にはその余裕がない。しかし、自分を顧みるたびに孤独感が襲うのだった。

熱海の温泉街。その一角では毎夜、見目麗しい芸者達が殿方を楽しませている。その中でも人気を二分するしずくと珠美は犬猿の仲。そこへ世界的な有名プロデューサー来訪の情報が入る。世界進出も夢ではない！と、競ってサービスを行うが…？！

売れない作家と結婚したミチルは、保険外交員として夫を支える。夫は公然と同棲を始めるがそんな生活も長くは続かず、結局ミチルの元へ。そして紆余曲折を経て、夫婦の念願だった石垣島のゲストハウスをオープンさせるまでになったのだが…。

一年前、大智の叔母が経営する民宿で行われたサークルの合宿。千夏は合宿で大智と手を繋いで以来片思いをしている。そしてある日、大智が叔母の元に駆け込んだのをきっかけに、大智と千夏は大人の世界に足を踏み入れることになる。

美和は神社の賽銭箱の裏に隠れ、世間と距離を置いて酒に入り浸る毎日を送っていた。そんなある日、神社へ御参りに来た中年男性と出会う。姿を見せず会話だけで惹かれあうふたりは不思議な関係に発展し、美和は少しずつ自信を持ち始めてゆく。