
典型的であってもなくてもいい。変(=クィア/queer)でもいい! 「クィア」を切り口に、
多様な「性」をテーマにした映像作品を上映する映画祭。映画祭上映作品から19作品をお届けします!
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私たちの、監督:伊藤梢
クローゼットのレズビアンの写真家・りょうは、レンズを介して愛するものに思いを馳せる。親友の優大と暮らすアパートは、彼女にとって世界一安全な場所だった。しかし彼女の小さな幸せは、優大がパートナーの晶行と暮らし始めることをきっかけに、静かに崩壊しはじめる。一歩踏み出したりょうは、自分が思いを寄せる大切な人のもとへ向かった。
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少し未来のある部屋で監督:柳澤公平
舞台は近未来の日本。少子化対策の一環で、男性への人工子宮移植が実験的に始まっている。一方で、社会への浸透は道半ば。タブー視や反発の声も根強い。そんな中、主人公・貴志は人工子宮の移植を受け、見ず知らずの夫婦の受精卵をお腹の中で育てている。ある日、貴志のお腹の子の父親を名乗る男が、貴志の家へ来訪するが――。
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夫=夫監督:山後勝英
辰紀と佑大は夫夫(ふうふ)として長年連れ添ってきた。いま別れの時が近づいていた。ありふれたどうてもいい日常の断片がかけがえのない大切な想い出となる…。
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手のひらのパズル監督:黒川鮎美
金沢で生まれ育った梨沙と匠。付き合って一年半。30歳になり、周りからも結婚を囃し立てられるようになった二人は、周りの進めで同棲をすることになる。結婚を意識するようになった二人はお互いの時間を共有していく中で、少しずつあるズレに気づいていく。そんな時に結婚の相談をしていた女友達、真子とのある出来事をきっかけに、変わっていく梨沙の想い。自分らしさとは何か-。幸せの形とは-。
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みんなバカ野郎だ監督:白田悠太
ゲイであることを言いふらされイジメられている悟と、人と話すのが苦手で友達のいない創介。修学旅行のホテルで同じ部屋になった孤独な男子高校生2人の心の交流を描いた青春ドラマ。
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OMIAI監督:佐々木 かな
母親がセッティングしたお見合いに無理やり参加させられた翔。お見合い場所で彼が目にしたのは…!!
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I Am Here-私たちはともに生きている-監督:浅沼智也
日本の多様なトランスジェンダーの現状、そして性別が変更できる法律の要件のハードルの高さや日常生活で直面した問題を年代・職業関係なく様々な当事者が想いを語るドキュメンタリー作品。
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窓越しのキス監督:こだかさり
隣に引っ越してきたミハルとベランダ越しに出会うマドカ。いつしか互いに惹かれ恋人となる2人。しかし、甚大な大気汚染の影響で外出制限令が敷かれ、ベランダですら会うことができなくなってしまう。やがて2人の思いが少しだけすれ違い始める。
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カパエマフの魔法石監督:ヒナレイモアナ・ウォン・カル、
ディーン・ハマー、ジョー・ウィルソン現在、聖地として知られる「カパエマフの魔法石」。その起源は数千年前に遡る。タヒチからオアフ島に渡った4人の訪問者が、不思議な力で人々の病を癒した。その4人は「マフ」と呼ばれ、女性と男性の間の性を生き、両方の強さも持ち合わせる者。4人が祈りを捧げた岩は、聖なる場所として何百年もの間、崇めまつられてきた。そして、物語は親の代から、子の代へ口述で伝えられてきたという。しかし、18世紀のキリスト教伝来以降、ハワイ先住民の文化は軽視され、その物語もまた忘れ去られてしまっていた。調査に10年の年月を費やし、美しいアニメーションと、力強い音楽とともに届けられる本作。「アロハの心をうたい継ぐ者 / Kumu Hina」のヒナ先生こと、ヒナレイモアナ・ウォン・カルも製作者の一人として関わる。性的少数者として、また民族的少数者としてハワイの社会で声を上げ続けてきたヒナが「私たちの歴史を、私たちの言葉で、そして私たちで語り直す」と、次世代に贈る物語だ。
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愛達監督:稲津勝友
フィリピンパブ嬢の母をもつ勝也は、そこで黒服として働く黒田に恋をしていた。ゲイであることと、敬虔なクリスチャンの母から受け継いだ信仰とが激しくぶつかり合い、勝也は必死にもがき続けている。母のくれた「神さま」を捨てきれぬまま、一体自分はどこに辿り着くべきなのだろう。フィリピンハーフのセクシュアルマイノリティーである稲津監督が、自身の家族をモチーフにして、監督自身とその実の母親が主演して撮られた本作は、家族・セクマイ・宗教の三つを同時に描く力作だ。
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半径3メートル以内の片隅で監督:佐島由昭
職場に同性愛者であることを言ってない守。ある日、新入社員の友樹が職場に入ってきた。守は友樹と二丁目の店でたまたま目が合ったことを覚えていた。GAYであることを公言していない守に対し、カミングアウトはしてないが、友樹の筆記用具が可愛いものだったり、女性社員と一緒にパンケーキを食べに行ったりしたことから、友樹はGAYではないかと噂になり守は友樹にイライラする。しばらくして、守の親友の大輝の家でメンツがGAYだけのホームパーティーをやることになった。守は今の仕事場のストレスで乗り気でない中、大輝の強い押しでしぶしぶ参加することに。パーティー当日になり参加者が集まる中、守は参加者である友樹とバッタリ会う。
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わたしの居場所~新世界物語~監督:武田倫和
大阪・新世界、通天閣のお膝元にあるお好み焼き屋「千両」。毎日、老若男女を問わず多くのお客で賑わっている。お客の目当ては鉄板カウンターで作る美味しいお好み焼きと店を切り盛りするオカマのひろ子ママ。ママと話がしたくてみんなが集まって来る。15の歳に鹿児島から集団就職で大阪に出てきたママは、新世界でオカマバーにスカウトされ、40歳の時に化粧を落とし「千両」の舞台に立ち続けてきた。しかし、30年目を目前に癌が見つかる。それを機に今までの人生を振り返り、52年間帰ることができなかった故郷・鹿児島を訪れる決意をする。新世界と鹿児島、ひろ子ママの生きてきた居場所を巡る物語。
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ぜんぶ売女よりマシ監督:オヴィディ
“スウェーデン・モデル”の犠牲は計り知れない――。世界初、買春禁止法が成立した国スウェーデン。そこでは、セックスワーカーは救済されなければならない対象で、劣った者とみなされているため、それが社会福祉にも反映される。エヴァ・マリーはセックスワーカーであること、ただそれだけの理由で、社会福祉士から不適切な母親と判断され、親権を得られず、子供は虐待歴のある元夫ヨエルの手に渡った。そして2013年7月11日、子供を取り戻す闘いの過程で彼女は元夫に殺された。セックスワーカーの権利を求める運動家となり、スウェーデンの政策や買春に対する態度に挑戦した彼女の悲惨な死。巨大政府の威圧的なパターナリズム、市民の生活への過剰な干渉、奔放な権力。社会福祉大国の闇を映す、悲しみと怒りのドキュメンタリー。
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HIV×LOVE?監督:Katsuhide Yamago
シングルの勇斗はマッチングアプリで釣った男とその場限りのセックスを繰り返す日々を送っていた。そこにセフレの慈雨からLineが入る。「陽性だった」と。恐怖を覚えた勇斗だったが、すっかり意気消沈し、部屋に引き籠る慈雨を海に誘い出す…。オープリンゲイの監督が描くリアルなゲイの本音と日常。映画「Sex×Friend?」の後日譚。
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マイ・シェアメイト監督:夏衣麻彩子
シェアハウスに住んでいるよしえと涼子。平穏に暮らしていた二人だが、ある日よしえの恋人・裕太が留学から帰って来ることで生活は変化していく。裕太と過ごす時間が増え、涼子のことをないがしろにしてしまうよしえ。それに少し寂しい思いをしていた涼子だったが、涼子にも恋人・愛梨ができる。しかし涼子はそれをよしえに言い出せないでいた。そのことがきっかけで、二人は喧嘩し、よしえは家を飛び出してしまう。
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沈黙−立ち上がる慰安婦監督:朴壽南
戦時中、北満州の日本軍「慰安所」に連行された李玉先(イ・オクソン)さんは半世紀の沈黙を破り、14人の仲間と日本政府に謝罪と賠償を求めて来日。各地で体験を伝え尊厳の回復を求めていく。在日朝鮮人2世の女性監督が彼女たちと対話し活動に寄り添った1990年代の密着記録と生存する韓国の李さんとの再会をつむぐ。
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モモ監督:チャン・ユンジュ
「留学するから、モモを引き取って欲しい」 元カノのアルムから、かつて2人で一緒に飼っていた猫を頼まれたソヒ。でも今は現在のカノジョ、ユジンと同棲してる。元カノと飼ってた猫を引き取ることを聞かされ、反発するユジン。どうすればいいの?!
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お前、本当に梅吉か?監督:高山直美
ダサいと日々からかわれていた梅吉は、ひょんなことから生徒会長の竜之介が本当は中身が女の子とであることを知ってしまう。そして竜之介による梅吉イケメン化計画が進むにつれ、梅吉は竜之介の中身の女の子に恋をしてしまうのだが…
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ざまあみろ監督:トンイェ・ギェビョン
ノルウェーのギェビョン監督率いるアイドルグループ「ハングリーハーツ」の、代表的ミュージックビデオ作品。作品中に流れる「In Your Face」は、Apple Musicでも配信されている名曲。「ハングリーハーツ」は、関西クィア画祭の大阪会場をはじめ、奈良、京都での来日公演も果たした。

