僕の代わりに暴れてくれ。『ランボー』『ランボー/怒りの脱出』

吉田仁人

僕は時に「頭でっかち」になる。
何かに取り組む前には不安と心配で、選択肢の全てをシミュレーションしようとして頭がパンク。
取り組んだ後で、誰も気が付かないような小さなミスを引きずって頭がパンク。

脳のキャパシティ的にも、何から何までできるはずも無いのに、そして上手く行った試しもないのに、とにかく頭が勝手に動いてしまう。だから、何かと疲れる。

身体を動かしていれば、そんな思考の沼には陥らないのだが…どうにか身体も頭も休めたい。自分へのご褒美として旅行に行くように、今を忘れたい。

そういった時に見るのが、この作品。

ランボーシリーズの第一作『ランボー』(1982年)と、

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続編の『ランボー/怒りの脱出』(1985年)だ。

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らせてはいけない男、ジョン・ランボー

ベトナム戦争の帰還兵であるジョン・ランボーは見た目だけで判断され、トラブル嫌いの保安官に町を追い払われてしまう。そこで反抗的な態度をとったランボーは逮捕されるが、そのとき受けた仕打ちによってベトナムで受けた拷問がフラッシュバックする。ランボーは暴れ、山に逃亡するが…。

ここから物語が始まる。

可哀想だ。初めて見た時、僕はランボーにそんな感情を抱いた。お国のために必死に戦い、共に戦った友人を亡くし、傷心している彼にそんなことをするなんて!

でも、ひ弱な僕が心配する必要など全くなかった。

…なんかランボー、怒ってる?

すぎる男、ジョン・ランボー

僕が頭を休めたい時に『ランボー』を見る理由は、彼が「無敵」だからだ。

鍛え上げられた肉体。燃えるような目。それらを見ていると、こちらが不安を抱く隙など無い。

どんな奴が相手だろうと、たとえ自分ひとり対数百人の戦いだろうと、とにかくランボーは止まらない。

相手をコテンパンにしていくランボーを見ていると、「次はどんな方法で?」「えっ、そんなやり方で?!」と純粋にワクワクで心が満たされるのだ。

笑ってしまうほど強い彼は、見ているだけで心のしこりを取り除いてくれる。ランボーのやり方は、それはもう思わず画面にツッコミを入れたくなるほどだが、これは実際に見て楽しんでほしい。

心を揺さぶる、ランボーの武器

そして続編の『ランボー/怒りの脱出』は、もっとスケールが大きくなる。

ランボーは1作目から持つサバイバルナイフに加え、2作目からは新たに弓矢を持ち始める。とにかくその2つがカッコいい。サバイバルナイフにはそんな仕掛けがあったのか、矢の先端にあんなものを…など、無骨な彼が操るガジェットに僕の男心はいつも揺さぶられる。

他にも彼は、相手の武器を奪って使いこなしたり、自然にあるものさえ武器に変えてしまう。

とにかく「ランボーシリーズ」は男のロマンが詰まった作品だ。

ちなみに僕が好きなシーンは、

第1作目にて、坑道に閉じ込められたランボーがマッチを点けるシーン。そして、ランボーの反撃に取り乱した保安官が、ランボーの上官であるトラウトマン大佐に「ランボーが生きているのをわかってたんだろ!?」と言われた際に余裕のある返事をするシーンだ。

ちょっと注目して見てほしい。

あと、ランボーを見る以外で、
頭がパンクした時に僕がよくすることは、

部屋の掃除とお散歩。
それでは。

吉田仁人

吉田仁人 俳優、アーティスト

俳優・M!LKのリーダー(黄)。読書や書き物が大好きだが腰が痛い。映画は人生の教科書だと思っており、影響をもろに受ける。

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