“不器用”映画の魔術師!? 井上博貴監督 特集

たまい支配人

ようこそ、DOKUSO映画館へ!
劇場支配人のたまいです。

さて今回は、たまいが“不器用な若さ”を撮らせたら一番なんじゃないかと思っている、井上博貴監督の作品を特集していきます!

まずは、今日からDOKUSOライブにて上映開始となります2020年公開の映画『新卒ポモドーロ』!

新卒ポモドーロ

実は、井上さんの映画で初めて僕はプロデューサーに挑戦し、なんやかんやあって今こうしてDOKUSO映画館の支配人に至るという、きっかけをくれた監督でもあります。今作は、そんな井上監督とたまいがタッグを組んだ2本目の劇場公開作品になります(自分の作品を紹介するの照れる)。

あんたたちより、
絶対上にいってやるけーん!
(『新卒ポモドーロ』劇中セリフ)

新卒一括採用、いわゆる「就活」をテーマにした映画シリーズ第2弾となる本作は、福岡のベンチャー企業の新米採用担当・川島(大野いと)と社長・北村(渋江譲二)のバディムービーです。

これを撮影した当時はまだ僕も井上監督もサラリーマンだったんですが(年末年始のお休み使って撮影してました)、一応ベンチャー企業の経営者となったいま見返すと、本当にリアルなんですよね…。もうなんか胃が痛くなるレベル。

学生側がフォーカスされがちな就活戦線ですが、採用している企業側も必死に会社の魅力を発信し、大手企業に就職しがちな優秀な人材をなんとか振り向かせようとヒリヒリした戦いをしてる。笑っちゃうくらい不器用でまじめで頑固な川島や北村たち主人公、そのまわりの人々を見守っているうちに、「ああ、会社って人で出来てるんだよな」って当然のことを思い出させてくれる1本です。

※映画『新卒ポモドーロ』はDOKUSOライブで7/28(水)まで期間限定にて上映中!
https://dokuso.co.jp/live

また、就活シリーズ第1弾、「三流大学」・「コミュ障」・「童貞」の大学生が自分を振った彼女を見返すために大手企業への就活に挑戦する『40万分の1』もDOKUSO映画館で上映中です。

40万分の1

私の眼をじーっと見つめて…
(『夕暮れの催眠教室』劇中セリフ)

続いてご紹介するのは、『夕暮れの催眠教室』。

特筆すべきは、なんといっても映像美。夕暮れの光、アルコールランプの揺らぐ炎、薄暗い理科実験室、めちゃくちゃ撮影が難しい要素のオンパレードなのですが、はじめて見たとき撮影レベルに驚愕しました。

夕暮れの催眠教室

そして、ラスト3分、女優2人の演技合戦。不器用な、剥き出しの若さがぶつかり合う、このシーンだけでも観てほしい。

あらすじを一切紹介しないストロングスタイルでオススメしてますが、25分の短編なので軽い気持ちで再生ボタンを押してみてください。はい、私の眼をじーっと見つめてー…。

それも春は訪れる。

最後にご紹介するのは、本日より配信開始となりました『それでも春は訪れる。』です。リモート映画制作プロジェクト「#おうちで映画制作部」にて昨年の最初の緊急事態宣言下に制作された本作。

「コロナ禍での仕事」という側面に焦点を当てています。『新卒ポモドーロ』とつながるところが多い作品なので、2作品とも観ていただけると更に楽しんもらえるはず。

この主人公たちもホント不器用なんですよねー。不器用でまじめで頑固で、そんな姿がときに滑稽で、ときに愛おしくもある。井上監督作品で一貫して描き出される不器用な人々は、監督自身のお人柄にも通ずるところがあるなと勝手に思っています。

繰り返される日常に少し疲れたとき、なぜ仕事をしているのか見失いそうになってしまったとき、井上監督の作品は派手さはなくとも、まじめに地道に生きることの美しさを思い出させてくれます。

それでは、今日もあなたが素晴らしい映画体験をできますように!
引き続きごゆっくりDOKUSO映画館をお楽しみくださいませ。

たまい支配人

©2020映画「新卒ポモドーロ」製作委員会
©テラスサイド
©井上博貴
©2020テラスサイド

たまい支配人 DOKUSO映画館 劇場支配人

DOKUSO映画館の劇場支配人。たまに映画プロデューサー。今年こそ、映画と読書と仕事以外の趣味をつくりたい。

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