高柳明音、高校生が主役のミステリー映画を見て当時に思いを馳せる
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高柳明音、高校生が主役のミステリー映画を見て当時に思いを馳せる

高柳明音
編集部

高柳明音さんが、インディーズ映画にふれながらその魅力を伝えていくコーナー。今回は「青春×ミステリー」をテーマにタイプの違う2つのミステリー、『シアノス』と『青春オセロ』をご紹介します。みなさんはどちらが好みでしょうか?

編集部

今回は「青春×ミステリー」をテーマに2つの作品を見ていただきました。まず始めに、ぴあフィルムフェスティバル2018の入選作『シアノス』からお話をお聞きします。

本作は、とある少女の失踪をきっかけに、少年の変わっていく様子を描いたミステリーです。まずご覧になられての感想をいただけますか?

『シアノス』あらすじ
平穏な片田舎に緊張が走る少女失踪事件が発生。自分の作り方なる不思議な動画をサイトにアップしていた彼女を最後に目撃した少年の身に異変が起こる。多感な思春期にいる少年の心に何かが宿り、乱れていくミステリー。

高柳

失踪事件がテーマなだけに物語の展開は重めで、映像もダークだったので、まるでずっと夜のような雰囲気を感じました。

そして、主人公の男の子がほとんど喋らないので、表情や行動から読み取るしかなくて、見る人によって感じ方が大きく変わる作品だと思いました。

編集部

好きな女の子が急にいなくなり、最後の目撃者となってしまった男の子の心の変化を描いていますよね。もしかして事件に関わっている?いない?など様々な考察もできる作品です。

©松本剛

高柳

女の子が失踪する。目撃者の少年がすごく怪しい。そんな単純な失踪事件ではなかったです。私は映画を見終わった後にいろんな人の考察や意見を読むのが好きなのですが、本作の松本剛監督がお話されていたことも含めて、男の子の思春期、性の目覚めと、いわゆる中二病からの脱却などが描かれていたところが興味深かったです。

あとすごく今どきだなと思ったのが、女の子がYouTubeを配信していたこと。それを見て男の子が好きになってしまったんだろうなって。普段学校では話さないけれど、YouTubeを繰り返し見ることで身近に感じてしまったと言いますか…。

編集部

芸能人ではないけれど、特別な人が身近にいると感じて、彼の思いが加速していったのかもしれませんね。

高柳

そうですよね。もっと言うと制服のまま配信していたことで学校がわかってしまって、事件につながったのではないかと思うと怖いです。

私は高校生のときにはSKE48に入っていたので、学校がわからないように制服姿では絶対に映らないようにしていました。

編集部

たしかにそう思うとすごく怖いですね。多くの考察記事を読まれたとのことですが、高柳さんの見解はいかがですか?

高柳

犯人が誰かというのはすごく気になるところなんですけど、それよりももっと社会的というか、人生を生きていく中で大なり小なりみんなに起きてくる心の変化を見る作品だと思います。

編集部

では次に『青春オセロ』についてお話をお聞きします。本作は高校生の自主制作映画コンクール「高校生のための eiga worldcup2018」入選作です。タイトルの通り、白から黒に一変する怖さのある作品ですが、本作を選ばれた理由は何でしょうか?

『青春オセロ』あらすじ
浩介とつき合っている千尋は、最近、浩介からの愛情が感じられず不満をつのらせていた。浩介の目を再び自分に向けさせるため、友人と狂言ストーキングを画策する。しかし、ストーキング行為の中に覚えのない無言電話が含まれていて…

高柳

タイトルがキャッチーだったこともありますが、名古屋の高校生が作っていると聞いて興味がわきました。最近は名古屋に帰れていないこともあって、“名古屋感“が欲しくて選んだところもあります。笑

編集部

ありがとうございます。実際に名古屋感は得られましたか?

高柳

はい! 高校生たちが、自分の通っている高校と名古屋の町並みを使って映画を撮っていることが、なんだかとても嬉しくて、可愛くて、親目線のような微笑ましい気持ちでした。内容は微笑ましいものではないのですが、二転三転して見ごたえがありました。

編集部

高校生の恋愛を荒削りながらも等身大で描き、これで終わりかな?というところからの急展開が見どころでしたね。

高柳

タイトルにオセロが入っているので、いつどこで何が裏返るのか?と考えながら見ていました。女の子1人に対して男の子が2人いたので、どちらかに傾くのかな?と思っていたら全然違って…。ひとつの種明かしで終わっていたら想定内でしたけど「最後にそこが裏返るのか!」という展開が良かったです。

編集部

私は白黒ハッキリさせるのかな?と思って見ていたのですが、まさに「裏返る」という表現がピッタリの展開でしたね。

©伊藤佑里香

高柳

そして脚本上では意識していないと思うのですが、台詞が名古屋弁になってしまっているところがありました!笑

みんな頑張って標準語を話しているのに、ついサラッと出てしまっているシーンがあって、名古屋人ならそれがわかるのでぜひチェックしてほしいです。他にも『名探偵コナン』でも登場した名古屋のシンボル的な場所「オアシス21」が映っていて嬉しい気持ちになりました。

編集部

名古屋ご出身ならではのお気に入りポイントですね。本作では嘘のストーカー被害をでっちあげて彼氏の気持ちを惹こうとしますが、共感できるところはありますか?

高柳

気持ちはちょっとわかります。笑

でも誰かを共犯にしてまでは…と思いますが、好きな人の前で他の誰かと仲良くしてみせたりも含めて学生あるあるかなぁと。

編集部

学校という狭い空間だからこそできるのかもしれませんね。

高柳

効果的かどうかは置いておいて、高校生なら「あり」なのかもと思っちゃいました。クラスで毎日顔を合わせる学生ならではと言いますか、大人になったらできない方法なので。

編集部

ありがとうございます。今回は「青春×ミステリー」をテーマに2つのミステリーを見ていただきました。高柳さん個人的にはどちらがお好きですか?

高柳

タイプが違う作品なので比べるのは難しいですが、名古屋が舞台の『青春オセロ』とさせてください。笑

今回の作品、本当に真逆と言いますか、『シアノス』は謎の余韻を楽しむ作品であり、『青春オセロ』は謎の解明と急展開が魅力でした。両方を見て、自分はどちらが好きか比べてみるのも良いと思います。

編集部

読者の皆さんには、ぜひどちらも楽しんでいただけたらと思います。本日はありがとうございました。

©松本剛 ©伊藤佑里香

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