高柳明音が"夢追い人"に勧めたい映画 ー 『ある日本の絵描き少年』
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高柳明音が"夢追い人"に勧めたい映画 ー 『ある日本の絵描き少年』

高柳明音
編集部

高柳明音さんが、インディーズ映画にふれながら、その魅力を伝えていくコーナー。今回は漫画家を志す男の半生を描いた『ある日本の絵描き少年』にフューチャーします。「夢」そして「人生」について、ポップな絵柄とコミカルな展開ながら深く考えさせられる本作。高柳さんがアイドルを目指したきっかけ、オーディション受験前後の家族秘話もお聞きできました!

【あらすじ】
漫画家になる夢を諦めかけた時、シンジがふと目にした幼なじみのマサルくんの絵。それが彼に勇気を与える!アートの力を信じ続けるクリエイターと、夢を諦めないすべての人への賛歌が込められた感動のアニメーション。

編集部

本作『ある日本の絵描き少年』は、社内でも好きな人が多いです。高柳さんがこれを選ばれたきっかけは何ですか?

高柳

まずタイトルに惹かれました。映画っぽくないですし、タイトル画像のイラストから面白い感じが出ていたので選びました。

編集部

たしかに映画のタイトルというよりも、小説やマンガっぽいですよね。まずは作品を見られた素直な感想をいただけますか?

高柳

展開と見せ方がすごく錬られていると思いました! 見ているうちにだんだんと「いま、この意味でこのイラストが使われているんだ」と気づかされて、なんてすごい作品なんだと。

編集部

一気に引き込まれますよね。

高柳

最初は、漫画家になりたい人の話かと思ったのですが、そんな単純なものではなかったです。イラストで紡がれていく物語は、実は結構重くて、人が壁にぶつかり、夢を諦めざるを得ない展開もあって…。

編集部

障がいを持ったお友達を含めて、夢を追いかけ続けることの難しさと、努力よりも純粋でいることも大事という描かれ方もしていましたよね。

高柳

本作では「絵」というテーマで、それぞれのやり方で夢に向かった人たちが描かれていましたが、私に置き換えてもすごく刺さるところがありました。「えっ、そんなやり方で成功できることもあるんだ…」とか思うこともあるので。

編集部

例えばどんなことですか?

高柳

例えば、かつてのアイドルならやってはいけないタブーなことも、いまでは逆にそれをするアイドルがウケたりとか。本作の主人公も、漫画家になるために大学に行き、一から絵を学んで…が正しい道だと思って進み、それだけではなかったことを他の人を通じて知ると言いますか。

編集部

絵を描くこと好きだったはずが、漫画家以外は絵ではないように苦しんでいきますよね。

高柳

ラストも見る人によって解釈が違うと言いますか、判断を委ねられて、その先を描くのは自分たちだよ、と言われている気がしてすごく考えさせられました。

編集部

本作の主人公は中学生で漫画家になりたいと思うわけですが、高柳さんがアイドルになりたいと思ったのはいつ頃でしたか?

高柳

『モーニング娘。』さんが好きで、可愛い女の子を見ているのがすごく幸せだったんです。歌って踊ってキラキラしているあの世界に入りたい!と憧れたときからだと思います。でも実際になれるとは思っていませんでしたし、名古屋から出るつもりもなかったです。

編集部

ご両親の反対もありましたか?

高柳

両親、特に父が心配性なので、芸能界に対してすごく不安を持っていたみたいです。私も自分ひとりで東京にオーディションを受けにいくのは怖くて考えられなかったです。でも高校2年生のときに名古屋で受けられると聞いて、これが最後のチャンスだと思ったのがきっかけでした。

編集部

巡り合わせですね! ちなみにオーディションを受けることはご両親に相談したのでしょうか?

高柳

受けるにあたっては親の承諾が必要だったので、お母さんだけに話しました。そのときも重めに相談すると反対されそうだったので「ちょっとこれ一回受けてみたいんだけど、いい?」と軽い感じで聞きました。

どうせ受からないと思っていたようで「じゃ、一回やってみたら」と言ってくれて、結果として合格しました。笑

だからお父さんには事後報告になって怒られました。でも事前に言ってたら絶対反対されるってわかってたので。合格してからも騙されてるんじゃないか?と心配してましたね。笑

編集部

お父さん、高柳さんなら合格すると思っていたのではないでしょうか。

高柳

まさか。絶対思ってないですよ。笑

編集部

本作の主人公は、東京に出てアシスタントとして働きだし、いろんな苦労の末、夢を諦めようとします。高柳さんもたくさんのことを経験されていると思いますが、嬉しかったこと、挫折しそうになったときのことをお聞きできますか?

高柳

家族や周りの人に「見たよ」と言ってもらえたら嬉しかったですし、紅白の出場が決まったときは、おばあちゃんもすごく喜んでくれました。自分が信じてやってきたことが実になって、形になって、ファンのみなさんと一緒になって喜びあえるのはやっぱり嬉しいですよね。

逆に、上手くいかないときや、それこそコロナ禍のいま、活動ができないことや、卒業しているはずができなくなったり、両親も大丈夫なのと心配してくれています。

私の人生一つで、誰かの人生が変わるわけではないですけど、できればまわりの人たち、ファンのみなさんが喜んでくれて、楽しくなる人生を一緒に歩みたいですよね。そんな日が一日でも早く戻ってくることを祈ってます。

編集部

ありがとうございます。では最後に、本作をどのような人にオススメしたいですか?

高柳

この作品は20分の短編ながら、すごく考えさせられる物語です。いま、自分の夢を無心で追いかけて挫折しそうな人には辛いかもしれません。

でもだからこそ夢を追いかけている人はもちろん、自分の夢ってなんだろうと思っている人にも見てほしいです。実は自分のしていることが意外と誰かのためになっていたり、喜んでもらえていることに気がつけるかもしれないですね。

編集部

コロナ禍でも気持ちを暗くせずに、かつて自分が好きだったことを思い出すきっかけになったり、新しいことを始められるかもしれないですね。今回もありがとうございました!

高柳

ありがとうございました!

©川尻将由

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