好きな男子に催眠術をかけたら…予想外の学園×サスペンス映画『夕暮れの催眠教室』 2020.11.25
はじめまして、柊太朗(とうたろう)と申します!北海道出身の20歳で、俳優をしています。この度、DOKUSO映画館のアンバサダーとして映画コラムを書かせていただくことになりました。
大好きな「映画」に演者としてだけでなく、このような形で携われることを本当にうれしく思っています。これから僕のことを少しずつ知ってもらえたら幸いです。
初回ということで、少しコーナーの説明をさせてください。コーナータイトルは「柊太朗の食べたい映画」です。映画が大好きで、料理が得意な僕が、映画と食を結びつけてコラムを書いていきます。ぜひ両方たのしんでくださいね。
学園×催眠術のサスペンス『夕暮れの催眠教室』
DOKUSO映画館にはたくさんの作品がありますが、僕は映画のジャンルの中でサスペンスが大好きなので、サスペンス枠から選びました。
今回、僕が選んだのは井上博貴監督の『夕暮れの催眠教室』です。実は、井上監督のワークショップに参加したことがあります。演技を勉強し始めたばかりの僕は、井上監督に演技のいろはを教えていただいたと言っても過言ではありません。
そんなこともあって、初めに見る映画にふさわしいと思って選ばせて頂きました。
いやぁ、良かった。本当に良かったです。特に主演の青木珠菜さんの表情にとても引き込まれました。
本作は、高校生の青春ラブストーリーに催眠術が加わることで、見事なサスペンスとなっています。
催眠術を使うことで、願いが何でも叶うかも?と思っている女子高生の今日子と香奈は、好きな男子に催眠術をかけて、自分たちに気持ちを向かせて恋愛が上手くいくよう画策します…。そして催眠術が原因でいろんな問題が起きるのですが、それも催眠術を使って切り抜けようとするので、催眠術のシーンが出る度に冷や汗が止まりません!
あぁ、やっちゃったよ、この後はどうなる?と、見ていてハラハラしておもしろいです!
中でも、最初に催眠術をかけられた男子のことが気になってしかたなかったです。催眠術のおかげなのか、それとも最初から好意があったのか…。もし僕があの子だったらと思うと催眠術がトラウマになりそうです。今日子と香奈の純真が故の愚かな行動も、最後の最後にどうなるかが分かります。最後まで見逃せないですよ!
好きにさせたり、逆に嫌いにさせたり、催眠術がないと起きなかったはずの関係性。行き交うみんなの矢印を、催眠術が心もとない感じで曲げて行く。催眠術を信じてもいいのか、本当に効果はあったのか、そこも含めてみると面白いと思います!
柊太朗が注目したい小道具と印象的なシーン
そして本作は小道具とBGMもとても素晴らしいです!
普通の青春ラブストーリーには絶対出てこないような、ボロボロな暗幕や孔雀の剥製、そして理科の実験道具の数々。女子高生がビーカーとアルコールランプを使ってフツフツとコーヒー牛乳を作るなんて!今回の主軸である催眠術がより引き立つような小道具が印象的でした。
また、BGMも催眠術の雰囲気を倍増させています。通常の学校生活中でもバックに少し不気味なBGMが流れているので、注意して聞いてみてください。
さらに、なんと言ってもコップのシーンに注目してほしいです。タプタプのコップから水がこぼれ落ちるシーン…。一見すると単なるワンシーンなのですが、今日子の焦り、心の余裕のなさ、不安でいっぱいいっぱいで溺れてしまいそうな状況を表現していると感じました。みなさんのお気に入りシーンもぜひ知りたいです。
あと、もし僕が催眠術を使えても。同じことしちゃうかもなぁ…とか思ったり思わなかったり。でも、この作品を見たので僕は催眠術で世界平和に繋がることをすると思います。うん。たぶん、きっと…。
わずか25分とは思えないほどの内容の濃さで、きっと充実した時間を過ごせると思います。
ハラハラしたい人、最近つまらなくて刺激が欲しい人、今まさに高校生または同年代の人、そんな人達に見てもらいたい作品だなって思いました。
さて、ついにお料理の時間です!
©井上 博貴
女子高生たちが好きな男子に催眠をかけ、恋がうまくいくように画策する、あまく切ない恋愛模様を描いた青春ラブストーリー。
2000年10月27日北海道生まれ。恋愛リアリティ番組に出演し同世代から人気を博す。小説と映画が大好きで、特にサスペンスとヒューマンドラマ系が好物。