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恒松祐里インタビュー「映画『きさらぎ駅』は、体験型アクションホラー。自分だったらどうするか?の連続です」

DOKUSOマガジン編集部

DOKUSO MAGAZINEが注目する俳優をご紹介する本企画。第9回に登場するのは、「おおさかシネマフェスティバル 2020」で新人女優賞を受賞し、大河ドラマ「真田丸」、連続テレビ小説「おかえりモネ」、Netflix「全裸監督 シーズン2」など、次々と話題作に出演している恒松祐里さん。映画初主演となる2022年6月3日公開の『きさらぎ駅』では、民俗学を学び卒業論文のために都市伝説「きさらぎ駅」について調査する女子大生・堤春奈を熱演。作品の見どころ、永江二朗監督の演出・撮影方法などをお聞きしました。

恒松祐里
つねまつゆり|俳優
1998年生まれ、東京都出身。2005年ドラマ『瑠璃の島』で子役デビュー。映画『凪待ち』(19年)で「おおさかシネマフェスティバル 2020」新人女優賞受賞。主な出演作に大河ドラマ「真田丸」、映画『散歩する侵略者』、『虹色デイズ』、『アイネクライネナハトムジーク』、『スパイの妻』、『タイトル拒絶』、連続テレビ小説「おかえりモネ」、Netflix「全裸監督 シーズン2」などがある。

©2022「きさらぎ駅」製作委員会

―映画『きさらぎ駅』は、匿名掲示板に投稿された同名の都市伝説について、大学で民俗学を学ぶ女子大生の堤春奈が卒業論文を執筆するため、投稿者のはすみとされている葉山純子に話を聞く物語です。撮影前に、本作の元となった投稿などは読みましたか?

「台本を読む前に投稿とインターネット上の反応に目を通しました。きさらぎ駅が投稿されたのは2004年なので、当時私はまだ6歳。きさらぎ駅のことは知らなかったのですが、ネットの匿名掲示板だからこそ生まれ、広がっていった都市伝説なのかなと思います」

―永江監督は映画『真・鮫島事件』をはじめ、インターネットの都市伝説を元にした作品を多数手がけています。撮影の進め方について、どのようなお話があったのでしょうか?

「永江監督の撮影は、全て計算されているんです。シーンごとのカット割りやカメラの構図だけでなく、事前に作品のイメージがわかる映像を用意してくださったので、疑問や不安がない状態で現場に入ることができました。出演者もスタッフさんも完成形が見えているので、それにどう近づけていくかといった感じです。あとは現場に入る前、カメラマンさんがこう動いたから私はこう動くといったように、入念にリハーサルを重ねてから本番に挑むことができました」

―全て計算されているからこそ、お芝居に集中することができたんですね。

「はい。ホラー作品をたくさん手がけている永江監督についていくことが、この作品を良くするためのベストな方法だと感じました。でも、全て計算されているといっても、役づくりやお芝居の細かいニュアンスは出演者の考えを尊重してくださったので、楽しく撮影することができました。現場ではどうしたらお客さんが驚いてくれるか、みんなで考えながら撮影していましたね」

―本作はホラーですが、怖いだけではなく観客が物語を体験できるところもポイントですよね。

「そうなんです!そこが魅力であり、私がこの作品を好きな理由でもあるのですが、永江監督は“子供たちにも観てもらえる作品にしたいから、年齢制限がつかない表現方法にする”とおっしゃっていて、ジメッとした怖さというより、次に何が起こるか分からないワクワク感がありますよね」

©2022「きさらぎ駅」製作委員会

―特にきさらぎ駅に行ったときの映像が印象的でした。

「FPS(一人称)視点の撮影をしています。お客さんがVRゲームをプレイしているような感覚で、まるできさらぎ駅に行ってしまったような気持ちになって、記憶を頼りに自分がこの物語を解決しなきゃって気持ちになると思うんです。私はこの作品を体験型アクションホラーと呼んでいるのですが、『きさらぎ駅』にはホラー作品を超えた魅力があります」

―初の映画主演ということで、撮影するうえでこれまでの作品と違いはありましたか?

「現場に入る前は主演として意識することは何か?と考えていたのですが、私が一人で引っ張っていくというより、みんなで協力しないと撮れない作品だったので、チームとしてとにかく良い作品にすることを意識しました」

―完成した作品を観たときの感想は?

「マネージャーさんと観たのですが、“あぁ、おもしろかった!”と盛り上がりました。(笑) 私はFPS視点のシーンは撮影に参加していなかったこともあり、一観客として引き込まれて楽しむことができたんです。鑑賞後に気づいたことは、撮影中に永江監督が言っていた“ホラーは数学”という言葉です。たとえば、振り返るタイミングが数秒違うだけで、お客さんが驚くか驚かないかが決まる。撮影中に永江監督から“あと1秒待ってから振り返って”と言われ、1秒の違いを意識しながらお芝居をしていたのですが、お客さんの立場になって改めてその大切さがわかりました」

―FPS視点の撮影や永江監督の演出など本作は見どころがたくさんありますが、恒松さんが注目してほしいポイントを教えてください。

「私が演じた堤春奈は普通の女子大生だけど、探究心が強い女の子。きさらぎ駅という都市伝説に興味を持ち、調査をしていくのですが…、作品の中でいくつもの選択を迫られます。選択をする度に余裕がなくなり、どんどん春奈の人間らしさが浮き彫りになっていく。その変化をお芝居で表現したので、ぜひ注目してほしいです。そして、“もし自分が春奈だったらどうするか?”を考えてみてほしいです。『きさらぎ駅』は人によって選択が変わる、哲学的な要素のある作品です」

©2022「きさらぎ駅」製作委員会

『きさらぎ駅』
監督/永江二朗 出演/恒松祐里、本田望結、莉子ほか
配給:イオンエンターテイメント/ナカチカ
6月3日(金)より全国公開
©2022「きさらぎ駅」製作委員会

撮影・文 / 大川竜弥 スタイリスト / 武久真理江 ヘアメイク / 安海督曜

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