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100年にわたる歴史を持つ映画の殿堂「新宿武蔵野館」を訪問!ー ミヤザキタケルのミニシアターで会いましょう with 花柳のぞみ

ミヤザキタケル
花柳のぞみ

映画アドバイザー・ミヤザキタケルさんが、俳優・花柳のぞみさんと一緒に全国津々浦々のミニシアターを巡り、各劇場の魅力や推しポイントをお届けします。目指すは全国のミニシアター制覇♪

ミヤザキタケル

今回は、100年にわたる歴史を持つ映画の殿堂「新宿武蔵野館」にお伺いしました!

東京で最も利用客が多く、乗降客数世界一のギネス記録を持つ新宿駅の東口から徒歩2分。数多のシネコンやミニシアターがひしめく映画激戦区でもある新宿において、多くの映画ファンから愛され、100年にわたる歴史(2020年6月で開館100周年)を持つ映画の殿堂「新宿武蔵野館」。

2005年に上京して以来、映画を観るにも食事をするにも買い物をするにも新宿を利用し、終電がなくなっても歩いて帰れるという理由から中野坂上に8年間住んでいた僕にとって、新宿は言わばホームタウン。桔梗信玄餅アイスを食べながら観た『グッド・ストライプス』、半泣きで大興奮しながら観た『グリーン・インフェルノ』、観終えた後に吐きそうになった『光と血』etc…、新宿武蔵野館で目にした映画の思い出は数えきれないほどある。だが、そんな思い入れ深いミニシアターながらも、その歴史や変遷など、意外と知らないことばかり。僕と同じような方、実は多いのではないでしょうか。

そのはじまりは、大正9年(1920年)。地元の商店主たちによって、地上3階・座席数600席を誇る劇場が現在ビックロのある場所に建設された。初期は洋画専門館として人気を博し、有名弁士の徳川夢声が専属弁士として活躍。昭和3年(1928年)には今の場所へと移転し、日本初のトーキー映画の上映や、初の日本語字幕映画『モロッコ』の封切りなど、日本映画史においてターニングポイントとも言うべき出来事が武蔵野館で起きていたのだ。

昭和20年(1945年)の空襲により新宿一帯が焼け野原になった際には、全壊を免れて復興のシンボルに。また、武蔵野館オリジナルの映画情報冊子「ムサシノウイークリー」が毎週無料配布されており、当時の観客の楽しみであったという。昭和22年(1947年)には現在社長を務める河野義勝氏の祖父・河野義一氏が社長に就任。当時としてはまだ珍しかった海外俳優を招いての舞台挨拶を一映画館の主導で実施するなど、作り手と映画ファンを結ぶ企画を独自に行い、戦後日本の映画界を大いに盛り上げていった。その後、数々の名作や傑作と共に時代を巡り、幾度かの建替や改装を経て、2016年の改装工事を最後に現在の形へと至る。

そんな現在の武蔵野館は、全3スクリーン。海外のアート系作品から日本のインディーズ作品に至るまで、多種多様なジャンルの作品を上映するほか、舞台挨拶やトークイベントを恒常的に開催。かつて武蔵野館スタッフであった内山拓也監督の『佐々木、イン、マイマイン』のロングヒット上映が記憶に新しい。また、ロビーには上映作品の手作りディスプレイや立体パネルの展示、充実のフード類、喫煙室完備と、鑑賞前後の時間を有意義なものにする創意工夫が多分になされている。

支配人の菅野さんと編成担当の西島さん

支配人の菅野さんと編成担当の西島さんに話を伺うと、ロビーの展示物は実際に作品を観た上で製作されており、作品が切り替わる金曜早朝にセットしているとのこと。作品内容を熟知しているからこそ、観客の心をくすぐる展示物が生み出せているのだと納得。また、今の時代に喫煙室が設置されている理由を伺うと、なんとあのマッツ・ミケルセンが来日時に使用したとのこと。ファンの間では聖地と化しており、建築法的に問題ないので運よく残っているのだとか。マッツがいた空間を味わえる喫煙室は、日本中のどこを探しても武蔵野館だけ。喫煙者の方はマストでご堪能あれ。

シネコンとは一線を画する上映作品の幅広さに加え、館内の待ち時間も含めて楽しく過ごすことのできる新宿武蔵野館。配信という選択肢が増え、変化していく時代の中であっても、100年にわたって育まれてきた歴史と映画愛に満ち溢れ、映画館で映画を観ることの価値や醍醐味を強く感じさせてくれる。都内にお住まいの方はもちろんのこと、他県にお住まいの方も、東京へお越しの際には是非一度足を運んでみてください。それでは、次のミニシアターでまたお会いしましょう♪

花柳のぞみ

ここからは、花柳のぞみが「新宿武蔵野館」の気になったところをご紹介。題して、

「はなやぎのビビっとポイント!」

をお届けします。

フォントフェチ花柳、このフォントは見逃せません!レトロだけどポップ...キュン。

武蔵野館のフードは珍しいスナックがたくさん。作品コラボの期間限定フードはオタク心をくすぐります!

スクリーン番号可愛い!しかもそれぞれカラーが違うんです。なんだか宝探しみたいでワクワクします!

お手洗いの表示もまたカワイイんです...こういう絵文字ありそう。細部にまでこだわる、武蔵野館の魅力ですね!

ミヤザキタケル

花柳さん、ありがとうございます!「新宿武蔵野館」にはまだまだ魅力的なところがたくさんあるので、ぜひみなさんも探してみてくださいね。

次回はどんなミニシアターにお会いできるでしょうか。ぜひお楽しみに♪

ミヤザキタケル
みやざきたける|映画アドバイザー
1986年、長野県生まれ。WOWOW・sweet・PHILE WEBでの連載の他、web・雑誌・ラジオで映画を紹介。イベント出演、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジェ」など幅広く活動。

花柳のぞみ
はなやぎのぞみ|俳優
1995年、秋田県出身。趣味は、カメラとおさんぽ。 主な出演作に映画『人狼 デスゲームの運営人』メインキャスト・姫菜役、YouTubeドラマ『TORCH』主演・朱音役など。現在、TOKYO MX『おじさんが私の恋を応援しています(脳内)』保田紘子役で出演中。

記事内写真 / 花柳のぞみ
文 / ミヤザキタケル

※今回のインタビュー記事を含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」5月号についてはこちら。
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