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【玉置玲央 インタビュー】玉置さんにぴったりのクズの役があると言われ…『夜を走る』

DOKUSOマガジン編集部

DOKUSO MAGAZINEが注目する俳優をご紹介する本企画。第8回に登場するのは、劇団柿喰う客に所属し、映画初出演の『教誨師』にて第73回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞を受賞した玉置玲央さん。

2022年5月13日に公開される映画『夜を走る』では、ある夜の出来事をきっかけに退屈で平穏な日常が一変する男・谷口を熱演。作品の見どころ、佐向大監督とのエピソードなどをお聞きしました。

玉置玲央
たまおきれお|俳優
1985年3月22日生まれ。東京都出身。劇団柿喰う客の中心メンバーとして活躍。近年は映像にも活躍の場を広げ、大杉漣氏と共演した映画初出演作『教誨師』では第73回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞を受賞。主なドラマ出演にNHK大河ドラマ『麒麟がくる』、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』 などがある。

ー映画『夜を走る』は、スクラップ工場で働くうだつのあがらない男・秋本と、その後輩で要領のいい谷口の日常がとある出来事をきっかけに大きく変化し、分かれていく物語です。退屈ながらもそつなく生きていた谷口が徐々に憔悴していきますが、どういったことを意識して演じられたのでしょうか?

「俳優は役を演じるにあたり、脚本に書かれているセリフやト書きを過不足なく埋める作業をするのですが、その過程で自然と谷口像が出来上がりました。谷口ほどではなくても、人間は誰しも後ろめたいことがあったり、強がることで弱みを隠したりしながら生きています。もちろん僕にもそういった一面があり、谷口と自分の近い部分を重ねることを意識しました」

ー変化を楽しむ秋本と、日常が壊れることを恐れる谷口。2人の対比が印象的でした。

「秋本を演じた足立智充さんの表情が絶妙ですよね。何を考えているかわからないように見えながら、決して揺るがない強い意志を持っているようにも見える。人間、あそこまで変化できるのかという怖さがあります。秋本のように何かをきっかけに自分を壊してでもさらけ出したい人もいれば、僕が演じた谷口みたいに理性的に生きたい人もいる。重く暗いテーマなので、2人に共感できるとまではいかなくても、“わかる”と思える作品に仕上がっていると思います」

ー玉置さんは過去のインタビューで「自分はクズと人殺しを演じることが多い」とおっしゃっていますが、谷口の人柄はどう捉えていますか?

「クズだと思います。(笑) 監督の佐向さんから“玉置さんにぴったりのクズの役がある”と言われキャスティングしていただいたのですが、どうやら僕は佐向さんにクズだと思われているみたいで…(笑)」

ーそれは、俳優としてクズの役が合うという意味ですよね?

「だといいのですが。(笑) 佐向さんとは『教誨師』で初めてご一緒して、二度目の作品づくりです。本作は『教誨師』の前に企画されていたのですが、もともとあった作品の役にキャスティングしていただけたのはとても嬉しいです」

ー撮影での印象に残っているシーンを教えてください。

「谷口と妻が車の中で会話をするシーンです。雨が降っていますが、脚本では雨の予定じゃなかった。佐向さんを含めた現場のみなさんと話し合い、急遽そのまま撮影することになったのですが、窓に雨粒が当たっている様子や、照明の加減など、結果的に素晴らしい絵作りになりました。舞台だと決められたセットや照明の中、お客様の想像力を借りながら作られた空間で演技をします。でも、あのシーンは自然の力と現場の判断で素晴らしいものになりました。映画だからこそ出来た特別なシーンなので、ぜひ注目してください」

©『夜を走る』製作委員会

『夜を走る』
監督・脚本 / 佐向大
出演 / 足立智充、玉置玲央、菜葉花、高橋努
公開 / 5月13日(金)よりテアトル新宿、27(金)よりユーロスペース 他
©『夜を走る』製作委員会

撮影・文 / 大川竜弥

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