高柳明音「オバケは苦手だけどゾンビは大丈夫なんです!」『ショーン・オブ・ザ・デッド』

高柳明音
坪井篤史

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高柳明音さんが、シネマスコーレ副支配人の坪井篤史さんを師匠にお迎えし、映画マスターを目指します。第五回はゾンビ映画の傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』をご覧いただきました。

ホラーが大の苦手なはずの高柳さん、ゾンビ映画は平気とのことですがどうして?

坪井さんと楽しく会話をしていたら超常現象が…

『ショーン・オブ・ザ・デッド』のあらすじ
ロンドンの家電量販店の店員で29歳のショーンは、親友のエドとパブに入り浸るだらしない毎日を送っていた。長年の恋人リズにも愛想を尽かされたショーンは、このままではいけないと生活を変える決意をするが、その時、街にはゾンビが溢れ、人々を襲い始める。ショーンは母親とリズを守るため、エドと協力して行動を起こす。

高柳明音
たかやなぎあかね|1991年生まれ、愛知県出身。2009年にSKE48の2期生メンバーとしてデビュー。21年4月にグループを卒業し、現在は女優・タレントとして舞台、バラエティ、ラジオなど幅広く活躍中。

坪井篤史
つぼいあつし|1978年、愛知県生まれ。シネマスコーレ副支配人。小3の時に映画と映画館の神様から啓示を受け、死ぬまで映画と映画館で生きると決めたアブナイ人。

坪井篤史

今回はなんとホラー作品です。と言ってもコメディ色のあるゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』をご覧いただきました。いつもならホラー作品は選ばないのに、一体どうしたんですか?

高柳明音

私、オバケは苦手なんですけど、ゾンビは大丈夫なんです。

坪井篤史

えっ? それはどうしてですか?

高柳明音

オバケは実際にいるんですよ。でもゾンビは架空の存在なので平気です。もちろん大好きな鳥がゾンビになるのは辛くてダメですが。(笑)

坪井篤史

架空の存在!(笑)
でも今作は普段の日常にゾンビが出てきて…というお話ですが、出会ったらどうしようみたいな怖さはなかったですか?

高柳明音

自然な感じでゾンビが出てきましたね。(笑)
ホラー作品ってもっと薄暗いイメージがあったんですけど、今作は割とずっと明るいので、怖いというよりも面白かったです。グロいシーンはありましたが…。

坪井篤史

『ショーン・オブ・ザ・デッド』はゾンビ映画ですが、夜のシーンがあまりなく、明るいタッチの作品なんです。そして、2000年以降は足の速いゾンビが描かれることが多くなったのですが、今作は猛ダッシュしてくるゾンビではなく、ノロノロと歩くゾンビなのがポイントです。

高柳明音

ゾンビは走るイメージでした。少し前にUSJに行ったとき、ゾンビが走ってきて泣くほどびっくりした思い出があります。

坪井篤史

ゾンビ映画の金字塔と呼ばれる作品に、その名もまさに『ゾンビ』というものがあります。ここに出てくるゾンビはゆっくりと歩き、最後はショッピングモールに集まる。ゾンビには本能だけが残っているから、みんなが好きなショッピングモールに集まるというユニークな設定なんです。今回の『ショーン・オブ・ザ・デッド』も、ゾンビそれぞれが人間だったときの本能で動いている。いつもの朝のようにコンビニに行くとか。

高柳明音

ゾンビになっても日常が続くんだと思いました。だから主人公のショーンはしばらく異変に気がつかないですよね。普段の日常に見えるけど、実はゾンビだらけになってた。自宅の庭にゾンビが入ってきているのに、ショーンも友人も「酔っ払ってる!」とか言っちゃうし。(笑)

坪井篤史

そもそもゾンビがいると思っていないわけですから、初見でゾンビだと判断できるわけがないですよね。普通の映画だとゾンビの登場とともにシリアスになるんですよね。でも本作は違って、冒頭のちょっとフザケたゆるっとした乗りのまま進みます。このあたりはどうでしたか?

高柳明音

すごく面白かったです。ゾンビだとわかって物を投げつけるけど、貴重なモノは選ばなかったり、ニュースもシリアスだけどコメディ風で、ゾンビの急所が頭だとすぐに報道しているところも笑えました。

坪井篤史

昔からのゾンビの急所は頭が定番なのですが、ノロノロと動くことも含めて映画『ゾンビ』へのオマージュ、愛を感じる描き方なんです。そして本作にはゾンビ映画で描かれそうで描かれなかった印象的なシーンがあるのですが、一体それは何だと思いますか?

高柳明音

何でしょう…あっ! もしかして、ゾンビごっこをするところですか?

坪井篤史

そうです! ゾンビの真似をして歩いたらゾンビに気づかれないんじゃないかって。よくよく考えたらそうなんですよね。誰もが思いつきそうで、やっていそうだけど、これまで描かれなかったとても革命的なシーンと言えます。

高柳明音

でもそれは、往年のホラー好き、ゾンビ映画ファンの方にとってはどうなんですか?

坪井篤史

とても好評でした。なぜなら作品の細かい部分にこれまでのゾンビ映画へのリスペクトが見えるからなんです。歩くゾンビを描き、グロいところもしっかり見せる、なのに笑わせてくれる。実は映画『ゾンビ』の原題は『ドーン・オブ・ザ・デッド』で、今作のタイトルはそれをもじっているんです。

高柳明音

奇をてらったゾンビ映画ではなくて、しっかりと敬意を払っているからこそ素晴らしい作品なのですね。

坪井篤史

さて、今回はホラー作品をご覧いただきましたが、この勢いで貞子などの怨霊映画もどうですか?

高柳明音

えぇ…。洋画ならいけるかもしれないですけど、邦画はちょっと…。学生時代にお泊り会で『着信アリ』を観たことがあるんですけど、怖すぎて指の隙間から観てま(プツッ)

坪井篤史

あれ? 高柳さんどうしました?(汗)

高柳明音

すみません。なぜか急に回線が切れちゃいました!

坪井篤史

やっぱりこういう話をしていると心霊現象って起きちゃうんですね。今日は気をつけてください。(笑)

高柳明音

うわぁ…。今日はもう鳥とずっと一緒にいます。

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『ショーン・オブ・ザ・デッド』
価格 Blu-ray ¥1,650(税込)
発売元・販売元 KADOKAWA
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高柳 明音 俳優

1991年生まれ、愛知県出身。2009年にSKE48の2期生メンバーとしてデビュー。21年4月にグループを卒業し、現在は女優・タレントとして舞台、バラエティ、ラジオなど幅広く活躍中。

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