【皆川暢二インタビュー】イチモツを失った男の成長と変化を楽しんでください!『ポプラン』

DOKUSOマガジン編集部

DOKUSO MAGAZINEが注目する俳優をご紹介する本企画。第4回に登場するのは、2018年に話題作『メランコリック』で主演兼プロデューサーを務め、活躍を続ける皆川暢二さん。1月14日に公開される映画『ポプラン』で2作目の主演を務める皆川さんに、出演依頼をいただいたときの印象、役作り、作品が持つ解釈の幅についてお聞きしました。

皆川暢二
みながわようじ|俳優
1987年10月生まれ、神奈川県出身。大学時代に俳優を目指し、舞台を中心に活動後、カナダに1年滞在しながら、北米大陸の自転車横断に挑戦。帰国後、2018年に主演兼プロデューサーを務めた映画『メランコリック』が様々な映画祭で受賞し話題になった。

―『カメラを止めるな!』の上田慎一郎さんが監督・脚本を務める『ポプラン』は、主人公の田上が男性のシンボルを失い、取り戻すために疎遠になっていた友人や家族を訪ねるロードムービーです。かなりユニークな設定ですが、出演依頼をいただいたときはどんな印象を持ちましたか?

「キャッチコピーが、“ある朝、イチモツが家出した。”ですからね。(笑) 脚本を読む前に上田監督からそこだけお聞きしたときは驚きました。インパクトのある設定ですが、軸になっているのはあくまで自分探しの人間ドラマです。上田監督も田上の変化や成長を一番大事にしていましたし、僕もそこに強く惹かれました。 ただ、田上を演じるのは大変でした。当たり前ですが、僕も上田監督もイチモツがなくなった経験なんてなく…。田上はどういう気持ちなのか、どんな表情をすれば良いのか。そういったことを考えながらキャラクターを作り上げていきました」

―主人公の田上を演じるにあたってどんなことを意識されましたか?

「田上は人を見下しているようなすごく嫌な奴です。旅の中でいろんな人と出会いながら、田上ならどう接するのか、すごく意識しました。そして、嫌な奴だけで終わらないように、少しおっちょこちょいなところも意識していました。映画の中でギターケースを何度かぶつけてしまうシーンがありますが、嫌な奴でもそういう人間っぽいところがあると憎めないですよね。実は一発目は偶然だったんですけど上田監督が受け入れてくれたので、田上の一面として取り入れた部分です。試行錯誤した分、良い意味でまとまっていない作品になったと思います」

―まとまっていないというのは、見る人によって解釈の幅があるということでしょうか?

「そうですね。同じイチモツを持つ男性でも人によって解釈が違いますし、撮影している時から、女性が見たらどう思うんだろう?と気になっていました。初号試写で田上の元妻を演じた徳永えりさんとお会いした時、想像以上のテンションで“おもしろかったです!”と言って下さったんです。初めて女性から率直な意見をいただいたので、その言葉を聞いてホッとしました」

―性別に関係なく誰もがイチモツに相当する大事な何かを持っているわけで、共感できるポイントがある作品だと思います。どんな人にこそ『ポプラン』を見てもらいたいですか?

「人間、誰しも過ちや思い出したくないことってありますよね。『ポプラン』はそういったものと改めて向き合う人間ドラマです。そういう意味で田上と共感できるところがあるはずですし、田上以外にもさまざまな理由でイチモツを失った人がでてきますから、とにかくたくさんの人に観てもらって感想を聞いてみたいです」

©映画「ポプラン」製作委員会

『ポプラン』
監督・脚本・編集 / 上田慎一郎
出演 / 皆川暢二、アベラヒデノブ、徳永えり、原日出子、渡辺裕之
公開 / 1月14日(金)よりテアトル新宿 他
©映画「ポプラン」製作委員会

撮影・文 / 大川竜弥
スタイリスト / 沖田慧
ヘアメイク / Chieko Katayama (HMC)

※皆川暢二さんのインタビューを含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」1月号についてはこちら。
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