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注目俳優Power Push!!【村上由規乃インタビュー】難役に向き合う姿勢と監督への憧れ

DOKUSOマガジン編集部

DOKUSOマガジンが注目する俳優をご紹介する本企画。第2回に登場するのは、『オーファンズ・ブルース』で記憶を喪失する女性エマ、『愛のくだらない』でトランスジェンダーの金井を演じ、表現力豊かな幅広い演技が話題になっている村上由規乃さん。痛みとともに思い出が残るはじめてのミニシアター体験、役に向き合う姿勢や、映画づくりと監督への憧れについてお聞きしました。

村上由規乃
むらかみゆきの|俳優
主な参加作品は『あの日、この日、その日』『愛のくだらない』『朝の夢』『街の上で』『オーファンズ・ブルース』『クマ・エロヒーム』など。

―村上さんとミニシアターの出会いは?

「初めてミニシアターで観た作品は、大学に入ってすぐの頃、京都の立誠シネマ(現在の出町座)で観たロバート・クレイマー監督の『マイルストーンズ』です。私はそれまで映画館の無い小さな町で育ったので、映画館に映画を観に行くという習慣が無く、特別なことでした。

京都に移り住んだばかりの頃、どうしても観たいと思っていた『マイルストーンズ』が偶然立誠シネマで上映されていたことを知って、すぐに観に行きました。作品への期待もあって、なおさら立誠シネマでの体験は衝撃的でした。今まで行ったことのある大きな映画館よりも座席とスクリーンの距離が近く、作品が目の前に迫ってくるじゃないですか。『マイルストーンズ』は3時間半近い作品で、お尻が痛くなったこともよく覚えてます(笑)けれどそれ以上に、40年も前に作られた作品を劇場で観ることが出来たことの喜びは大きかったです」

―村上さんは『オーファンズ・ブルース』で記憶を喪失する女性エマ、『愛のくだらない』でトランスジェンダーの金井と、非常に難しい役に取り組んでいる印象があります。

「どちらもこれまで演じたことがない役でしたし、確かに難しいと思われるかもしれませんが、私にとって『オーファンズ・ブルース』でエマを演じるという事は、記憶を喪失していくということだけでは無く、旅に出て自分の体を動かして歩いていくという体験が大きかった気がします。最後のシーンに向かって行くにつれて、記憶を喪失していくことは、エマの人生の中の一部なんだと気がついていきました。

それは監督や共演者と何度も話しあったり、スタッフが演出のことを考えて出来るだけ映画の中の時系列の順にスケジュールを組んでくれたりして、その環境の中で気がついた事を演じていたからだと思います。 『愛のくだらない』の金井も、トランスジェンダーであることよりも、金井の人柄があって大切な人がいる、ということに向き合って演じたいと思っていました」

―役を演じつつ、全体のことも考えているんですね。監督へのご興味はございますか?

「自分の作品を作りたいとは思っています。いつになるかはわからないけど、今も脚本を書いています。もとになってるのは私の母と祖父です。小さい頃から母と妹と暮らしていたので、母が聴いていた音楽や絵本、洋服や食べものの事も初めは母が教えてくれてたんです。

祖父もこだわりと芯のある人で、考え方や物の美しさの事を今でも話してくれます。ストーリーがそのまま母と祖父のお話しでは無いのですが、私にとっては離れて暮らす今でもイメージを与えてくれる存在なので、いつか映画にしたいと思って書いています」

©2020『愛のくだらない』製作チーム

『愛のくだらない』
脚本・監督・編集 / 野本梢
出演 / 藤原麻希、岡安章介(ななめ 45°)、村上由規乃、橋本紗也加 他
公開 / 10月30日(土)より池袋シネマ・ロサ 他
©︎2020『愛のくだらない』製作チーム

撮影:志村颯
文:大川竜弥

※村上由規乃さんのインタビューを含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」11月号についてはこちら。
⇒11月号の表紙は松井玲奈さん!「DOKUSOマガジン vol.2」配布劇場とWEB版のお知らせ

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